2024.09.05 13:56編曲(アレンジ)について・・・今回はアレンジについて少し語ってみましょう。私は作曲はしません。元々指揮が専門で、吹奏楽の指導を数多くするようになって、演奏会のための編曲作品を演奏するときに納得のいかない編曲を手直しするのが大変だったのが編曲を始めるきっかけになりました。自分でアレンジすると、工夫した部分の音楽が意図したようになっていた時の喜びを感じるようになりました。楽団の力を考えたうえで最良の音を醸し出す喜びは今でも変わっていません。そして最近は楽団のメンバーからアンサンブルのアレンジ依頼を受けることが多くなりました。最近頼まれたのは5重奏でグリーグの「二つの悲しき旋律」とチャイコフスキーの「弦楽セレナード」第1楽章を取り上げました。手掛けてから完成まで、かかった日数は一月ほどで...
2024.07.30 14:47ファミリーコンサート【筑紫野市吹奏楽団】6月30日、私が指揮をしている福岡の筑紫野市吹奏楽団のファミリーコンサートがありました。主に振っている3つの楽団の中では、多くの団員を抱える最も元気な楽団です。
2024.06.20 14:36課題Ⅰ行進曲「勇気の旗を掲げて」 この曲で注意すべき点が3つあります。① 前半のテーマと後半のトリオが、同じであったり変化が有ったり…主なメロディが2種類なため、比較練習を行って変化の有る無しがわかるような演奏を望みたいです。② 複雑な和音から素直な和音に解決する瞬間がちりばめられています。素直な和音に解決するとき、美しい響きを演出したいものです。③ 特にメロディのユニゾン・2声・3声をしっかり把握しましょう。音量と響きのバランスを考えたい曲です。 ★ 冒頭~A1小節前1拍目まで (前奏) ・3小節1拍目までは全体のユニゾンです。最も低い音域がCb,Tuba,BassCl,BarSax、1オクターヴ上がEup,TrbHrn,TSax,ACl,Fg、2オ...
2024.06.20 14:28課題曲Ⅱ 「風がきらめくとき」 小編成で取り上げやすい曲と感じられた方が多いと思います。盛り上がりが少ない代わりに淡々と美しく仕上げる印象が強いように感じられます。しかし、ほとんどの部分の1拍だけを取り上げても音の数が多く、それをしっかり把握せずに少ない人数で演奏するのはかなり危険な曲です。ピアノだけで演奏すると考えると音の数が増えると広がりが出ますが、合奏体の場合は声部が広がると担当の奏者の数が減るために逆に音が薄くなると考えなくてはなりません。このことを頭の片隅に置いてください。この後、曲の解説は音の種類を中心に考えていきたいと思います。 ★ 冒頭~Aまで ・最初の3小節です。1小節目は1拍目がEs音のみ、2拍目は半音のD音を加えた2声、3拍目は...
2024.05.26 14:09課題曲Ⅲ 「メルヘン」 ※ 魅力的な曲でもあり、課題曲に取り上げる団体も多いのではないでしょうか?演奏する団体の状況を認識してのオクターヴの記載など、大変親切な楽譜でもあると思います。 しかし、指揮者にとっては難易度の高い曲ではないかと思われます。本番を迎える前に試行錯誤しながらでもどのように振れば安定したアンサンブルが組み立てられるか検討した方が良いと思います。そこで、曲の解説に入る前に私なりの振り方を披露させていただきます。 ★ 指揮のポイント ① 冒頭部分は4拍子で振りますが、6小節目も4つ振りのままで良いでしょうか?私は5小節目2拍目から2拍をまとめて2つ振りにします。その方がテンポの自由度が増し、A3小節目のpoco ritや4小節...
2024.04.23 13:50編曲の出版について昨年3月5日に大分での定期公演が終わり、その後の1年間で交響詩「モルダウ」(スメタナ作曲)と「水上の音楽」(ヘンデル作曲だがハーティ編曲を参考に)を今年の定期公演のためにアレンジしました。そして今、「展覧会の絵」全曲(ムソルグスキー作曲をラヴェル編曲を参考に)の修正をしています。 編曲作品を出版まで持って行くのには、単純に編曲をすればいいというものではありません。今回は私なりのこだわりを聞いてください。 ① 楽譜選び…同じ曲でも出版されている楽譜がすべて同じというわけではありません。作曲家によって信頼できる出版社が違うというのが現状です。スメタナの場合はドイツのベーレンライター社(原版はチェコのスプラフォン社)を信用しています。...
2024.03.08 15:06クラリネットアンサンブル2月25日、大分市民音楽祭に大分ウインドフィルハーモニーのクラリネット8重奏が出演しました。曲は2曲。1曲目はラヴェル作曲の「高雅で感傷的なワルツ」の第1曲と第7曲です。10年ほど前にアンサンブルコンテストに向きに作った曲ですが、8重奏だと人数のハードルが高すぎるのでしょうか。再演の機会に恵まれなかった曲でした。 同一楽器のアンサンブルは音色の変化を出しにくいため作品にすることは少ないのですが、この曲は同一楽器のアンサンブルが面白いと思っていました。同一楽器だけでなく、木管の8重奏(フルート・オーボエ・クラリネット×2・アルトサックス×2・テナーサックス・ファゴット)にもなっています。
2024.01.20 04:19新年のご挨拶と・・遅くなりましたが、新年のご挨拶です。今年もよろしくお願いします。さて、新年の我が家ですが、年末から長男も帰省したため、親子と義母4人でお正月を過ごしました。毎年のお正月に飲む定番のお酒は新潟の雪中梅。越後三梅の一つで最も手に入りにくい甘口の酒です。