昨年3月5日に大分での定期公演が終わり、その後の1年間で交響詩「モルダウ」(スメタナ作曲)と「水上の音楽」(ヘンデル作曲だがハーティ編曲を参考に)を今年の定期公演のためにアレンジしました。
そして今、「展覧会の絵」全曲(ムソルグスキー作曲をラヴェル編曲を参考に)の修正をしています。
編曲作品を出版まで持って行くのには、単純に編曲をすればいいというものではありません。
今回は私なりのこだわりを聞いてください。
① 楽譜選び…同じ曲でも出版されている楽譜がすべて同じというわけではありません。作曲家によって信頼できる出版社が違うというのが現状です。スメタナの場合はドイツのベーレンライター社(原版はチェコのスプラフォン社)を信用しています。チェコの作曲家はスプラフォン原版が通常使われています。ヘンデルとムソルグスキーは共に別人の編曲を介していますので、楽譜をどのように採用するか悩みました。
② 編曲作業…もちろんここに一番時間がかかります。
③ 浄書…パソコンを用いて楽譜を打ち込んでもらい、スコアとパート譜を作ります。
④ 楽譜の修正作業…これがなかなか大変です。私が5線紙上に書いた際の間違いに加え、打ち込み時の間違いも発生します。これらを照らし合わせながら修正するのですが、前述の間違いに加えてアレンジを変更することも発生しますので時間がかかります。
この1年間でこの3曲の編曲⇒打ち込み⇒修正作業が終了しました。
「水上の音楽」はハーティのスコアとヘンデルのスコアを照らし合わせながら、より華やかに合奏できるようにしました。
「展覧会の絵」はラヴェルがムソルグスキーのピアノ原版をカットしたり変更したりした部分が多々あります。
そこで、2つのバージョンのどちらかを選べるように書いています。
ですから完全にカットされていた5番目のプロムナードも加わっています。
3曲とも間もなくエムツープランで出版されます。
どんな演奏にしていくのか、ぜひこだわって楽しんでください。
このHPの中に今までの編曲一覧(坂本・青山両作品)もあります。
まだ出版に至っていない作品も多数あります。
この曲がやってみたいと思うものがあれば、連絡をいただければすぐに出版に踏み切れるよう作業します。ぜひそちらもご覧ください。
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